一言で免疫療法(免疫細胞療法)といっても内容は千差万別です。NK細胞を分離・培養して戻す方法、T細胞を分離・培養して戻す方法、樹状細胞を分離・培養して戻す方法などがあります。 もちろん、方法が異なれば作用等も変わってきます。
T細胞を用いる方法には、T-LAK療法(CD3-LAK療法)やCTL療法などがあります。
これらの方法は、「私は癌細胞です」という目印(=抗原)をもった癌のみを標的にして攻撃をしかけていくT細胞を培養します。
T細胞は抗原抗体反応(過去に異常細胞と認識したものにしか攻撃を仕掛けないこと)により、効率的に癌を攻撃できる一方で、目印を失くしたり、隠してしまった癌には攻撃をしかけることが出来ないという弱点を持った方法なのです。
また、抗原の情報をT細胞に認識させる方法もありますが、抗原の抽出に成功した場合に限られるなど、全ての患者様に適用できるわけではありません。
樹状細胞を用いる方法には、樹状細胞ワクチン療法やDCI療法などがあります。
これらの療法は、細胞樹状(T細胞に癌細胞の目印を教える、いわばT細胞の道しるべのような細胞)を活性化し体内に戻すことで、患者様のT細胞により効率 的に癌を攻撃させようという狙いがありますが、結局、T細胞には抗原抗体反応という欠点があるため、攻撃の即効性と柔軟性に欠けると言えます。
T細胞や樹状細胞を用いる方法は、いずれもT細胞の抗原抗体反応という欠点があります。
こうした欠点がない方法が、NK細胞を分離、培養して患者様のお体に戻す、高度活性化NK細胞療法です。