日比谷内幸町クリニック
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最先端の免疫細胞療法によるがん治療

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尿管癌(尿管がん): 再発リスクが非常に高い浸潤性尿管がん

再発リスクが非常に高い浸潤性尿管がん
高度活性化NK細胞療法で再発せずに7年経過

73歳男性

平成20年3月に血尿を認め、近医を受診されます。精密検査の結果、右尿管がんと診断されます。6月には病理診断を兼ねた原発切除術が施行されますが、結果は最も悪性度の高いグレード3の診断でした。これは、癌細胞の大きさや細胞間のまとまりなどを表し、タイプとしては「一番転移しやすい癌細胞」でした。また、尿管壁は非常に薄いため、その浸潤度も今後の経過を予測するうえで、非常に重要になります。この患者様の場合、その浸潤度も5段階中4と手術をしたからと言って、軽視できる病状ではありませんでした。

一般的にこのような病状の患者様の場合、手術後には抗がん剤を用いた化学療法が選択されます。それでも予後は悪く、5年生存率は10~40%と言われています。そんな厳しい病状の中、この患者様には持病の心臓病があり、点滴による強い抗がん剤治療が行えない状況でした。その為、主治医及び患者様が選択した術後の治療は、内服(UFT)による抗がん剤治療でした。

副作用が少ない分、効果の面では不安が残る治療となった為、高度活性化NK細胞療法の併用を希望されます。
平成20年8月に再発リスクが非常に高いことから、高度活性化NK細胞療法は毎週投与で開始されました。

1クール6回の投与が終わった時点の腫瘍マーカーでは、一部高値を示す項目があったものの、CTでは再発を疑わせる所見はありませんでした。この事から、再発・転移予防への効果を実感した患者様は、1年程度の経過観察を経て、高度活性化NK細胞療法の2クール目を開始されます。2クール目の開始時点でも一部腫瘍マーカーに異常値を認めましたが、それ以外の再発を疑わせる所見がないことから、高度活性化NK細胞療法は、月に約1回ペースの維持的療法で再開されました。1クール目から1年経過しているとは言え、この患者様の場合は集約的な1クール目の治療が、自己の免疫細胞へ良い刺激となっており、治療再開前のNK細胞の活性値(がん細胞への攻撃力)も、とても高い数値で維持されていました。

その為、約半年かけて行なった高度活性化NK細胞療法の2クール目の治療終了時には、高値だった腫瘍マーカーの低下を認めることができました。

TPA
46 ⇒ 24 (基準値75 U/L未満)

BFP
169 ⇒ 89 (基準値75 ng/mL未満)

この後も平成25年11月までは月に約1回の治療を半年間で1セットとして継続されます。

そして現在は、治療間隔をさらに空けることが可能になり、忙しいお仕事の合間を縫って、元気に通院されていらっしゃいます。 腫瘍マーカーは更に低下し、最近では基準値内まで低下を認めることが出来ていらっしゃいます。

TPA
35.2 (基準値75.0 U/L未満)

BFP
47 (基準値75ng/mL未満)

多くの悪性腫瘍は、5年を区切りに「完治」という表現が可能になります。しかし、闘病しながらの5年とは非常に長く、時には自分らしい時間を過ごすことができないまま5年を過ごされる患者様もいらっしゃいます。そして、そんな5年を迎えることができず、治療を断念せざるおえない患者様もたくさんいらっしゃるのです。この患者様は5年経過し、主治医からは学会で報告するぐらい経過良好と言われており、80歳を過ぎて、まだまだ現役で仕事をされ、日本中を飛び回っていらっしゃいます。