治療が困難な胆管がんが、抗がん剤と高度活性化NK細胞療法の併用で、腫瘍マーカーが正常範囲内に。CT、上も腫瘍の縮小を認める。
39歳 女性
Uさんは持病に「胆管拡張症」を持っておられ、この持病の治療と定期検診の際に、肝内胆管がん(胆管細胞がん)が判明しました。
その時点でリンパ節への転移も認められました。そのため手術をすることができず、抗がん剤の内服治療と放射線治療を20回行いました。
しかし、期待していた治療効果は得られず、点滴による抗癌剤治療へと治療方針は変更になりました。
ところが抗がん剤の種類変更後も、さらに肝臓へ転移してしまいました。
そこで、より高い治療効果を期待し、高度活性化NK細胞療法の併用を希望されました。
Uさんの場合は、抗がん剤治療のスケジュールが1クール4週間と大変長かったため、1クール終了後に高度活性化NK細胞療法を1回ずつ施行する方法が選択されました。
しかし、原発巣の影響から胆管炎を繰り返し、抗がん剤治療も予定通り行えない状況が続きました。
そのため、抗がん剤治療を3クール、高度活性化NK細胞療法を1回行った時点では、原発・肝臓転移部の縮小は認められたものの、リンパ節転移は増大していました。
それでも胆管炎の治療をしながら、根気強く治療を継続されました。
抗がん剤治療を7クール、高度活性化NK細胞療法を4回終えた時点でのCTでは、原発巣がさらに改善されると同時に一度悪化したリンパ節の転移部位も縮小していました。
治療前に高値だった腫瘍マーカーも同様に改善していました。
そして、抗癌剤治療を8クール、高度活性化NK細胞療法を5回終えた時点では、すべて正常値にすることが出来ました。
CEA 5.1→1.3 (正常値5.0ng/ml以下)
CA 19-9 4160→29 (正常値37U/ml以下)
胆管がんは治療が困難ながんの一つと言われています。
そんな中、この患者さんは約7ヶ月の間、元気に通院治療を行っていました。
ひとまず、高度活性化NK細胞療法は6回で終了されて、抗がん剤のみの治療へ切り替え、経過観測を行っています。